ヤナギの侵入と発芽・成長との関係

 第3回までは、種のに焦点を絞ってヤナギの特性について示してきた。

 ヤナギは種から発芽する,枝から再生(これを萌芽と呼ぶ)する.といった形態を持つ.ほとんどの樹木は折れた枝から再生することが可能といわれている.ヤナギは、その中でも萌芽が容易な種である。

 ヤナギの侵入形態と経路

  • 侵入形態:種と枝
  • 侵入経路:種は風と水,枝は水

<ヤナギの成長>

 ヤナギが無事成長を成し遂げるのは、種子・枝の供給,発芽(萌芽)の可能性,成長の可能性の3つの段階をクリアする必要がある.
 例えば、1000個の種子が供給された場所と10個の種子しか供給されなかった場所を比較すると,前者の方がヤナギ林に至るポテンシャルは高い.しかし,発芽や成長に必要な環境条件が整っていなければ,生理的な条件から発芽はできない.すなわちヤナギ林に至る確率は0%となる.

 このように,ヤナギの種子供給は必要条件であるが,ヤナギが成長できるかということについては十分条件になっていない.むしろ,プランターで育てたトマトの例のように,少ない数でも成長できる条件を整えていることの方が有利である.

 プランターの例と異なるのは,洪水時などのかく乱作用によって,場が破壊されたり,逆に細粒分が供給されて保水性が高まり場が整ったりする点である.しかし,場の形成と種や枝のもつ生理的条件は別々にとらえて,種が発芽できるか,成長できるかと静的に捉えることが重要である.