第3回 ヤナギの発芽と成長

 ヤナギの多くは,河岸等の水際や河川下流域に広く分布している.なぜだろうか?
 
 そこに種子が供給されるからというのは正解だが,第2回でも取り上げたように種子供給の有無よりも環境条件が整っているからと考えるのが適切だろう.ヤナギが発芽や成長にいたるための基本的な環境条件を2,3あげるとすると以下にまとめられる.
 
 ヤナギ(例えば,タチヤナギやオノエヤナギなど)は、
 1)種子散布から約2週間は90%以上の発芽率を保つものの,40日を過ぎると発芽能力を失う.
 2)明るく場所でよく発芽し、暗い場所での発芽は困難(明発芽性の先駆樹種の1つ)
 3)水耐性に強く,乾燥に弱い 
 
 これらの条件に適した箇所は,水分条件のよい裸地域ということになる.すなわち,河岸等の水際や自然堤防帯で草丈の低い植物のある湿地となる.
 
 逆にいえば,地下水位から十分に高い乾燥の激しい裸地や密生した草本や木々の中では発芽や成長が難しいことを意味している.
 
 ここまでに,種子繁殖のみを取り上げてきているが,ヤナギの場合,枝からも繁殖(こういった繁殖形態を栄養繁殖と呼ぶ)が可能である.
この場合,上記1)の特徴は無視でき,2),3)の特性が成長に影響を与える.


第4回では,ヤナギの成長について考えてみよう